理事長ご挨拶

Greeting

樅の木福祉会は「小さな社会」であり「大きな家族」。
この場所が『やすらぎの陽だまり』のような、
温かくて、安心出来る場所であり続けたい。

社会福祉法人 樅の木福祉会は、昭和40年5月神戸市西区(当時垂水区)神出町に発足し、翌6月に知的障害児の療育を行う「知的障害児入所施設」を皮切りに、昭和44年に知的障害者の方たちの就労の場としての「入所授産施設」の設置、昭和52年には長野県小県郡長和町(当時長門町)の地に長野支部を設置し、知的障害者の方々への生活援助と共に就労支援の事業を開始しました。

その後、利用者ご本人、ご家族の方たち、社会の要望、福祉制度改革の変遷により、幼児期から成長の著しい児童期、活動的で自立生活を希望される青年期、安定した生活を望まれる壮年期、終の棲家を必要とされる高齢の方々、何よりも私たち樅の木福祉会を必要とされる方々への支援を提供すべく、通所就労支援、通所生活介護支援、入所生活介護支援、地域生活支援、居宅介護支援、相談支援、等々とその方の人生そのものに寄り添えるよう事業体制を整え、支援を続けてきました。

私たちは、自らの人生をデザインし、時には修正しながら、夢を描き生きています。先達の偉人たちも「生きている意味は幸せになること」と言っているように、私たちは、人生に夢を持ち幸せを希求しています。

しかし、幸せで満足できる人生を送るということはとても難しいことです。まして、障害があれば、自らの人生デザインを描くことはなおさら難しくなることでしょう。私たちが、人生デザインの先にある『幸せ』を感じるということは、まず「自分自身を信じる」ことからしか始まらないように思います。

このため、私たち樅の木福祉会は、「自分自身を信じることのできる力」としての自己肯定感を育むことができるよう、『無条件で愛された経験とき』を大切にし、療育・支援に努めており、そのことが『人として生きる』基礎になると考えています。

そして、人は成長とともに『生きる目的・目標』を探し、求めます。その過程において「豊かな人生とは」「豊かな心とは」「人間性を高めるとは」等々、考え悩み、人は生きる目的を見出し、その人生の最終目標を「自己実現」と「社会貢献」という社会人としての確立に求める人もいるでしょう。

このように私たちが『人生の目的・目標』を求めるように、障害があっても懸命に生きている方々も同様です。そのような皆さんの自己実現に向け、自己形成として、年齢、立場に応じ物事を理解し、自分で考え判断し行動できる力を養い、自分の判断や行動を、まわりに受け入れられるような形で表現できる力、という社会性を身に着けていけるよう支援し、夢の実現に向けてのお手伝いをしたいと思っています。

『人は皆、誰もが、かけがえのない尊い人生の目的を持っています』その自己実現は、精一杯、自分らしく生きなければ達成することができないでしょう。
樅の木福祉会は、その夢を追っている人たちにとっての「小さな社会」であり「大きな家族」です。この場所が、法人理念である『やすらぎの陽だまり』のような、温かくて、安心出来る場所であり続けたいと願っています。そして、皆さんの夢の実現をいつも応援しています。

理事長 奈木野 忍